diary

【桂川の住宅】一年点検しました。

Posted on 2015-08-14

桂川の住宅。一年経ちました。^_^

福岡にいます。ノープランで福岡に飛び立ち、施主の兄夫婦に

案内して頂いて北九州市を訪れました。久留米で菊竹もいいけど

北九州で村野藤吾を見るってのもアリですねーなんていいながら

またもや建築中年の建築旅が始まりました。一応「桂川の住宅の

一年点検」という名目で。

 

写真

八幡市民会館はおすすめです。アポなしで突然見学希望で押し掛

けたにも関わらず、とても丁寧に館内を案内して頂きました。

係の方は、(旧)八幡市の歴史に始まり、村野藤吾とは何者なのか、

から始まるわけです。僕は早くメインの1400名収容のホールを見た

いのに、なかなか入れてくれません。(笑

 

係の方は熱く語ります。村野藤吾は唐津の生まれではあるが八幡

で育った。地元の高校を出て、八幡製鉄所で勤めていたが、そこ

から建築を学び、地元の戦後復興事業に大きな貢献をしたのだ、と。

外観の煉瓦色は鉄工所の錆をイメージしたのだとか、復興の建築に

はモニュメントが必要だったのだ、とか。

 

一体どこまでが確かな情報で、どこまでが係の方の個人的な思い入れ

なのかはよくわかりませんでしたが(笑)、建築が当時の地元の

人たちの思いを担っていたことがよくわかります。1400名収容と

いうと規模的にはオーバースペックだったようなのですが、当時

の復興に対する村野の意気込みがそのようにしたのだとか。

 

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ようやく見せてくれたホール。

これまでに満席になったのは数えるくらいしか無いのだとか。

ちなみに最も席を埋めたのは綾小路きみまろだそうです。(笑

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隣接して建つ八幡図書館は閉館と取り壊しが決定しているらしく、

今もなお反対運動は続いているのだとか。確かに市民会館だって

かなり老朽化が進んでるわけで、残しましょうって言うのは簡単

かもしれないけど、一方でやむを得ないような気もしてしまうわ

けです。

 

残すということは大切なことかもしれないけど、残さないことを

考えることも同じくらいに大切だと思うわけです。取り壊しなら

取り壊してそこに何を作るかということも大切だと思うわけです。

文化の継承って説明を受けましたが、それって本当に難しい問題

なのだなぁ、と。

 

近代建築の保存活用の分野っていろんな事例もできていますが、

日本の、特に地方の施設の保存活用って考えられることてまだ

まだあると思うんですよね。歴史的建造物というよりは建築家が

手掛けた近代建築について、です。

 

それってただ単に「保存」を促すだけではなく、沢山意見を出し

て、沢山議論して、どうしても壊す必要があるなら壊す。壊した

方が、未来の人たちにとって意義があると判断できたときは壊す

という考え方。そして、壊すまでに何ができるか、ということを

考えるのが大事だと思うわけです。

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僕は完全にミーハー人種(写真中央奥)なので、ホテルオークラ

が壊されると聞いて、ようやく訪れたりして「あれいいよね」なんて平気で

言ってしまうクチなんです。尾崎豊が亡くなってから尾崎豊を

カラオケで熱唱するみたいな。でもそういう人って多いと思う

んですよね。それでいいと思うんです。

 

今回、そんな九州旅でしたが、一応以前手掛けた「桂川の住宅」

の一年点検という名目で福岡に行っていたわけです。もちろん

点検も行なったのですが、2日間クライアントやそのご兄弟、

祖父母の方たちと過ごしていると、それの住まいバージョンみ

たいな話がやっぱり家族で議論されるわけです。

 

何を残して、何を壊すか、そして何をどう使うか、それって人

が建物を使って生活する以上、同じような話があちこちで起こっ

ているわけですね。建築家は「こんな風に使ってほしい」とか

言いますけど、たかだか1〜2年のお付き合いをした程度で

そんな簡単に言っちゃあいけないと思うんですよね。(僕は

仕事上堂々と言っちゃってますけど、、)

 

写真

今回点検をした「桂川の住宅」はクライアントの要望でガレージ

を設けましたが、「みんなの家」がある種コンセプトだったので、

設計段階でそのガレージが単なるクライアントの趣味スペースに

なることを避けるため「多目的スペース」と定義づけることにし

ました。

 

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今回もそこで孫がプールにはいり、工務店交えて流しそうめん

をやったり、親戚集めてバーベキューをやったりするわけです。

仮に「ガレージ」と定義づけていたって空間は変わらないので、

同じように使っていたかもしれませんけどね。

 

でも、設計段階で「ここはガレージって言ってるけど家族の

多目的スペースなんだよ」って話し合い、共有することが大事

だし面白いんだと思うんです。なんかいいですよね。

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「なんかいいよね」って場所が作りたいです。

それってとても難しいことだと思うのだけど、意識してそういう

場所がつくれるような訓練を積みたいと思いました。力が入りす

ぎてもいけないし、かといって気が抜けすぎてもいけないんだと

思います。

 

高橋

2015.08.15

 

 

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